全酸素消費量自動測定装置(TOD計)TOD-200シリーズ

  • TOC
  • TOD
  • COD
  • BOD

河川・湖沼・海域・工場排水等に含まれている全酸素消費量を、オンライン・オフラインで迅速かつ正確に自動測定するTOD計です。独自のジルコニア固体電解質センサを使用するとともに、濃度差検出方式を採用することで、高精度で長期・安定的な測定を可能としました。50年以上にわたり蓄積してきた技術を活かし、簡便な操作と高い信頼性、保守性を実現しています。

測定原理

本装置では、キャリアガスとして取り込んだ窒素ガスを、ガス混合部で燃焼に必要な酸素濃度に維持します。その中で、供給された試料を計量部へ検水、一定量注入した後、900℃白金触媒下の燃焼部で密封燃焼させます。燃焼されたキャリアガス中の酸素は燃焼により消費され、酸素濃度が一時的に低下します。その酸素濃度の変化を、固体電解質酸素検出器を用いて測定し、TOD濃度に変換・出力します。

また、洗浄水を供給することで試料通液ラインを酸性溶液によりライン洗浄することが可能です。これによりコンタミの影響回避や懸濁物質類の付着低減が期待できます。

TOC測定とTOD測定の違い

TOD測定の酸化反応は次の通りに行われます。

  • ●炭素:C+O2 → CO2
  • ●水素:2H+1/2O2 → H2O
  • ●硫黄:S+O2 → SO2
  • ●窒素:N+1/2O2 → NO

CODも同様にこの4種について反応しますが、 TOC(炭素)測定では検知しない、主たる成分が炭素を含まない物質もあります。そのような場合、COD、BODと同一の酸素消費指標であるTOD計で測定監視することとなり、TODでのみ相関関係が見られる排水も多くあります。

製品の特長

当社の独自研究・開発のノウハウを搭載した水質分析計で、お客様の日々の業務のお悩みを解消します。

・自動・安定稼働

1台で8流路まで測定可能。オフラインでも測定できます。

・特殊ジルコニアセンサを採用

検出器に当社独自の特殊ジルコニアセンサを採用することで、高い信頼度を実現しています。

・試薬不要

高価な試薬が不要で維持管理も容易です。

・BOD・CODと同一の酸素消費量指標を採用

CODやBODと同様に燃焼酸化のために必要な「酸素消費量」を測定します。

パーツ・オプションの特長

①カラータッチパネル

見やすい大型パネルと簡単操作。測定データはUSBに保存可能

②SSに強いスライダーバルブ注入方式

スライダーの穴を利用してサンプルを計量するため計量性に優れ、送液量に関係なく計量するためサンプル配管を細くする必要がない。また、SSによる摩耗や詰まりの心配が少ない

③自動洗浄フィルタ

円形のディスクとクリーニングブレードを重ね合わせた網目のないエレメントで試料を濾過し、自動清掃。洗浄水を使用してエレメントを洗い流す機能も

製品の選び方

1. 計測したいポイントを選ぶ

東レTOD計は原水試料も独自の密封燃焼と触媒で長期・安定的に測定することが可能です。高濃度領域から放流水や雨水などの低濃度領域まで信頼の測定、下水放流等のBOD監視用途でも数多く使用いただいています。

発生源

(1)発生源対策

  • 発生源からの有機物変化を特定することで漏洩を監視
  • プラントからの排水濃度を管理することで水質事故を未然防止

運転

(2)運転管理

  • 濃厚排液等の一般排水への漏洩を防止
  • 処理設備の急激な負荷変動を防止し運転コストを軽減
  • 曝気量、薬液添加量の制御により運転管理を最適化

雨水

(3)雨水監視

  • 雨水への有機物漏洩も早期に発見
  • 洗浄作業やバルブ閉め忘れ等による有機物の流入を検知

放流

(4)放流監視

  • 水質総量規制など排水管理目的の常時監視を実現
  • 環境・社会活動(CSR)の取り組み強化による環境負荷を軽減

2. 計測したいポイントに適したモデルを選択する

測定したい流路の数や希釈機能、信号の入出力仕様の違いで、合計4種類の製品に分かれます。

1流路対応

(1)TOD-200S

発生源

雨水

放流

  • 1流路測定に特化したシンプル構造
  • 以下2種の測定レンジを用意
  • 0-50~500mg/L(低濃度仕様)
  • 0-500~5,000mg/L(高濃度仕様)
(2)TOD-200SD希釈機能付き

発生源

  • 最大100,000mg/Lまで測定可能
  • 濃厚排液や海水試料も測定可能

多流路対応

(1)TOD-200M

発生源

運転

  • 最大8ポイントまで測定可能
  • 内部洗浄機能によりコンタミの影響を軽減
(2)TOD-200MD希釈機能付き

発生源

運転

  • 流路間の濃度差に対応
  • 流路ごとに希釈あり/なしを選択可能

3. オプションを追加する

用途などに応じて、必要であればオプションを選択してください。

・MVユニット(多流路タイプ専用)

2~8流路に対応し、自動で測定流路を切り替えることで、原水から放流水まで1台で測定できます。また、洗浄水を供給することでMVユニット~TOC計間の配管を洗浄し、配管内の汚れ・詰まりを軽減させます。

機種選びやオプションの検討、
お見積りのご相談など、
お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

基本仕様

機器仕様

共通仕様 TOD-200シリーズ
測定レンジ 0-50~500mg/L(低濃度仕様) 0-500~5,000mg/L(高濃度仕様)
測定モード オンライン オフライン(多流路仕様:ランダム測定可能)
測定周期 5分~(淡水仕様時) 6分~(海水仕様時)
測定方法 自動間欠式密封燃焼酸素濃度差検出方式
測定値換算機能 TODからCODまたはBODへの換算表示機能内蔵
(換算値=a+bx 係数a、bはお客様にて決定ください)
直線性/再現性 ±2.5%FS以内または±2.5mg/L以内でいずれか大きい方
ゼロ/スパン安定性 ±2.5%FS/日以内または±2.5mg/L/日以内でいずれか大きい方
周囲温度変化 ±2.5%FS/5deg度以内または±2.5mg/L/5deg以内でいずれか大きい方
計測値出力 DC4~20mA (負荷抵抗:0~500Ω)
通信出力 USB(オプション:RS-232C RS-485)
入力信号 無電圧接点、DC24V
項目:外部連動 測定停止 警報解除
多流路:流路別測定開始信号
出力信号 無電圧接点、AC125V 1A(抵抗負荷)
項目:保守中信号 電源断信号 外付けポンプ信号 計数信号 選択出力
測定値異常(選択出力) 上上限 上限 下限 下下限 多流路:流路別測定値異常信号出力
装置異常(選択出力) 温度異常 試料断 配管洗浄水断(重故障/軽故障に任意に割り当て可能)
(オプション:ガス圧力低下 試薬断 洗浄液水断)
その他オプション 記録計 自動校正機能 別置きプリンタ 電装部エアパージ
試料条件 ACF入口:0.05~0.15MPa、3L/min以上、1~50℃
(常時40℃以上はご相談)
(本体入口:0.02~0.1MPa、 500mL/min以上、1~50℃)
オフライン試料量 100~200mL/3回測定
試薬(オプション) なし
※配管洗浄で試薬を添加する場合は、2mol/L-HCLが必要
洗浄液 蒸留水
逆洗浄水 0.1~0.4MPa 流量:3~5L/min 1~50℃
(有機炭素/ゴミ等を含まないこと、試料に化学的影響を与えないこと)
配管洗浄水 0.02~0.05MPa 0.4~0.6L/min 1~50℃
(有機炭素/ゴミ等を含まないこと)
キャリアガス 0.3MPa 高純度窒素 約7Nm3/月
(99.99%以上、有機成分、水分、ゴミ等を含まないこと)
電源 AC100V±10V 850VA 消費電力:約550W(多流路仕様:650W)
設置場所 屋内 1~40℃(硫化水素等腐蝕性ガス雰囲気を避けること)
外形寸法/質量 550(W)×1,430(H)(キャスタ70mm含まず)×538(D) 約100kg
アンカー取付寸法 4-φ13 510(W)×457(D)
サービスエリア 前面/左右側面600mm(後面不要)

注:TOD 測定 妨害物質について

  • 溶存酸素:試料中に溶存している酸素は、TOD に対して負の影響を与えます。よって、溶存酸素量が測定値に影響を与える恐れがある場合には、あらかじめ窒素バブリング等による脱気処置が防止策となります。
  • 各種無機塩類:燃焼に際して酸素を放出する物質は負の影響を与え、また酸化する物質は正の影響を与えます。例えば硝酸ナトリウムは負の影響、硫酸アンモニウムは正の影響を与えます。
  • 海水試料:海水試料を触媒下で燃焼させると、NaCl が酸化反応をするために測定値の増加及びゼロ点の変動を起こす場合があります。その際には海水仕様オプションにより影響を抑えることが出来ます。

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