全有機体炭素自動分析装置(TOC計)TOC-200シリーズ

  • TOC
  • COD
  • BOD

河川・湖沼・海域・工場排水等に含まれている全有機体炭素量をオンライン、あるいはオフラインで迅速かつ正確に自動分析するTOC計です。
独自の低温密封燃焼方式を採用し、長期・安定的な測定を実現。40年以上にわたって蓄積してきた技術を活かし、簡便な操作と小型・省スペースを両立しました。

測定原理

本装置に供給された試料は必要に応じて希釈され、少量の酸を添加し曝気処理を行うことで無機体炭素を除去処理。その後、試料は計量部へ検水され一定量注入した後、独自の低温密封完全燃焼(650℃)により酸化され生成されたガス中の二酸化炭素を赤外線分析計で測定し、TOC濃度に変換・出力します。

また、洗浄水を供給することで試料通液ラインを酸性溶液によりライン洗浄することが可能です。これによりコンタミの影響回避や懸濁物質類の付着低減が期待できます。

製品の特長

当社の独自研究・開発のノウハウを搭載した水質分析計で、お客様の日々の業務のお悩みを解消します。

・自動・安定稼働

独自の触媒構成と前処理フィルターにより、高濃度懸濁物質を含む試料や海水試料でも安定した測定が可能です。

・低温密封燃焼方式を採用

業界一低温の650℃密封燃焼方式により、燃焼時に発生するミスト・ヒューズの影響を低減します。それにより、プレフィルター1枚で検出器の汚れを防ぐことができます。

・サンプル配管の最小内径はφ2㎜

新機能の酸溶液による試料ライン洗浄を採用するほか、サンプル配管の最小内径をφ2㎜としています。これにより、コンタミ影響回避や懸濁物質付着の低減が期待できます。

・各用途に対応した4機種をラインナップ

パーツ・オプションの特長

①カラータッチパネル

見やすい大型パネルと簡単操作。測定データはUSBに保存可能

②SSに強いスライダーバルブ注入方式

スライダーの穴を利用してサンプルを計量するため計量性に優れ、送液量に関係なく計量するためサンプル配管を細くする必要がない。また、SSによる摩耗や詰まりの心配が少ない

③自動洗浄フィルタ

円形のディスクとクリーニングブレードを重ね合わせた網目のないエレメントで試料を濾過し、自動清掃。洗浄水を使用してエレメントを洗い流す機能も

製品の選び方

1. 計測したいポイントを選ぶ

東レTOC計は原水試料も独自の密封燃焼と触媒で長期・安定的に測定することが可能です。高濃度領域から放流水や雨水などの低濃度領域まで信頼の測定、下水放流等のBOD監視用途でも数多く使用いただいています。

発生源

(1)発生源対策

  • 発生源からの有機物変化を特定することで漏洩を監視
  • プラントからの排水濃度を管理することで水質事故を未然防止

運転

(2)運転管理

  • 濃厚排液等の一般排水への漏洩を防止
  • 処理設備の急激な負荷変動を防止し運転コストを軽減
  • 曝気量、薬液添加量の制御により運転管理を最適化

雨水

(3)雨水監視

  • 雨水への有機物漏洩も早期に発見
  • 洗浄作業やバルブ閉め忘れ等による有機物の流入を検知

放流

(4)放流監視

  • 水質総量規制など排水管理目的の常時監視を実現
  • 環境・社会活動(CSR)の取り組み強化による環境負荷を軽減

2. 計測したいポイントに適したモデルを選択する

測定したい流路の数や希釈機能、信号の入出力仕様の違いで、合計4種類の製品に分かれます。

1流路対応

(1)TOC-200S

発生源

雨水

放流

  • 1流路測定に特化したシンプル構造
  • ワイドな測定レンジ:0-5~1,000mg/L
(2)TOC-200SD希釈機能付き

発生源

  • 最大60,000mg/Lまで測定可能
  • 濃厚排液や海水試料も測定可能

多流路対応

(1)TOC-200M

発生源

運転

  • 最大8ポイントまで測定可能
  • 内部洗浄機能によりコンタミの影響を軽減
(2)TOC-200MD希釈機能付き

発生源

運転

  • 流路間の濃度差に対応
  • 流路ごとに希釈あり/なしを選択可能

3. オプションを追加する

用途などに応じて、必要であればオプションを選択してください。

・MVユニット(多流路タイプ専用)

2~8流路に対応し、自動で測定流路を切り替えることで、原水から放流水まで1台で測定できます。また、洗浄水を供給することでMVユニット~TOC計間の配管を洗浄し、配管内の汚れ・詰まりを軽減させます。

機種選びやオプションの検討、
お見積りのご相談など、
お気軽にお問い合わせください。

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基本仕様

機器仕様

共通仕様 TOC-200シリーズ
測定レンジ 0-5~1,000mg/L(オプションレンジ : 0-150~3,000mg/L)
測定モード オンラインTOC オフラインTOC オフラインTC
測定周期 4分~(TC測定時) 5分~(TOC測定時)
測定方法 全炭素量測定: 自動間欠式密封燃焼赤外分析法
無機体炭素除去: 自動間欠式塩酸酸性空気曝気法
測定値換算機能 TOCからCODまたはBODへの換算機能搭載
(換算値=a+bx 係数a、bはお客様にて決定ください)
直線性/再現性 ±2%FS以内または±0.15mg/L以内でいずれか大きい方
ゼロ/スパン安定性 ±2%FS/日以内または±0.15mg/L以内/日でいずれか大きい方
周囲温度変化 ±2%FS/5℃以内または±0.15mg/L以内/5℃でいずれか大きい方
計測値出力 DC4~20mA(負荷抵抗:0~500Ω)
通信出力 USB(オプション:RS-232C RS-485)
入力信号 無電圧接点、DC24V
項目:外部連動 測定停止 警報解除
出力信号 無電圧接点、AC125V 1A(抵抗負荷)
項目:保守中信号 電源断信号 外付けポンプ信号 計数信号 選択出力
測定値異常(選択出力) 上上限 上限 下限 下下限
装置異常(選択出力) 温度異常 試料断 配管洗浄水断(重故障/軽故障に任意に割り当て可能)
(オプション:ガス圧力低下 試薬断 洗浄液断)
その他オプション 記録計 自動校正機能 別置きプリンタ 電装部エアパージ 負荷量演算ユニット
試料条件 ACF入口:0.05~0.15MPa、3L/min以上、1~50℃
(常時40℃以上はご相談)
(本体入口:0.02~0.1MPa、500mL/min以上、1~50℃)
オフライン試料量 200~500mL/3回測定(オフラインTOC測定では約1,000mL/3回測定)
試薬 2mol/L-HCL 5分周期で約5L/月
60分周期で約5L/年(配管洗浄なしの場合)
洗浄液 蒸留水
逆洗浄水 0.1~0.4MPa 流量:3~5L/min 1~50℃
(有機炭素/ゴミ等を含まないこと、 試料に化学的影響を与えないこと)
配管洗浄水 0.02~0.05MPa 0.4~0.6L/min 1~50℃
(有機炭素/ゴミ等を含まないこと)
キャリアガス 0.3MPa 窒素(99.9%以上)または計装圧空 約7Nm3/月
(計装圧空はCO2除去フィルタが必要で水分/油分を含まないこと)
電源 AC100V±10V 600VA 消費電力:約350W(多流路仕様:450W)
設置場所 屋内 1~40℃(硫化水素等腐蝕性ガス雰囲気を避けること)
外形寸法/質量 550(W)×1,430(H)(キャスタ70mm含まず)×538(D) 約100kg
アンカー取付寸法 4-φ13 510(W)×457(D)
サービスエリア 前面/左右側面600mm(後面不要)

個別仕様

機種別仕様 TOC-200S TOC-200SD TOC-200M TOC-200MD
流路切替 1流路 1流路 最大8流路 最大8流路
希釈機能 なし 2~20倍 なし 2~20倍
選択出力数 8点 8点 16点 16点
測定モード サイクル測定 ランダム測定
多流路入力信号 流路別測定開始信号入力
多流路出力信号 流路別測定値異常信号出力

よくある質問

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