酸素濃度計の技術開発
東レエンジニアリングDソリューションズのジルコニア式酸素濃度計は、繊維産業で培ったジルコニアセラミックの技術を用いて、独自に設計・開発しているものです。
高精度かつ多様なラインナップを生み出す研究・開発情報や技術情報をご覧ください。
開発の歩み
技術開発
1970年代~1980年代前半
自社用TOD分析装置用酸素センサの開発
繊維の加工や切断などを通じて蓄積された技術・知見をセラミックに応用し、ジルコニアセラミックを用いた酸素センサーを開発。自社の工場排水測定用TOD分析装置のセンサーに採用しました。これは日本で最初の排水用自動分析装置でした。1981年には、酸素濃度計の開発を本格化させ酸素濃度測定に特化したLC-700を開発しました。
1980年代後半~1990年代前半
マイコン・センサーの開発
初めてマイコンを搭載した酸素濃度計LC-800、TOC自動分析装置TOC-610を開発。オートレンジ機能、通信出力など、当時の最新技術を搭載しました。このときに培ったセンサー・ソフトウェア技術が最新の酸素濃度計、水質分析計にも活かされています。
1990年代後半~現在
次世代通信方式“EtherCAT®”対応製品の開発
EtherCAT通信酸素濃度計は、当社が長年にわたり蓄積してきた半導体・電子業界向け酸素濃度計の製造ノウハウを活かし、真空装置をはじめとする各種装置用に開発した製品です。酸素センサと変換部を分離することで、高速処理を求められる装置・アプリケーションへの組み込みに最適な設計を実現しました。
2000年代~
真空環境での酸素濃度計測対応
半導体製造工程における酸素の混入は、製品・生産物の品質に大きく影響します。このため、装置内の雰囲気ガスを監視する酸素濃度計が前工程と後工程とを問わず必要不可欠です。そこで当社は、酸素濃度計、特に真空環境でも測定可能なセンサ分離型の製品において、超高速応答や多点測定を可能とする高い機能性と省スペースを兼ね備える製品の開発、提供を続けています。
開発トピックス
真空環境での酸素濃度計測の実現
半導体製造プロセスにおける酸素濃度の管理方法は、近年、N2ガスフロー雰囲気から、真空へと移行しつつあります。このため、真空で精度よく測定できる酸素濃度計が求められるようになっています。加えて、半導体製造工程における酸素の混入は製品・生産物の品質に大きく影響します。このため、装置内の雰囲気ガスの酸素濃度監視も必要不可欠です。
当社はこうした背景を踏まえ、酸素濃度計、特に真空環境でも測定可能なセンサ分離型の製品の開発に注力しています。超高速応答や多点測定を可能とする高い機能性と省スペースを兼ね備えた当社の製品は、大手装置メーカーで多数採用されています。
次世代通信方式”EtherCAT”への対応
EtherCATは、高精度な同期制御と高速通信能力を備えたネットワーク規格です。ファクトリーオートメーションの現場でこれを導入することで、複雑な機械やシステムの動作を正確に同期させ、生産効率を大幅に向上させることができます。
当社の酸素濃度計LD-600/SDセンサは、EtherCAT通信に対応していることに加え、酸素センサと変換部が分離した設計となっていることが特徴です。柔軟な組み込みが可能となるこの設計により、センサの配置や取り付けを容易とし、装置やアプリケーションの設計自由度を高めています。