機器の選び方
「酸素濃度計に詳しくないので、選ぶ基準がわからない」「機種が多すぎて迷う」
そうした声にお応えして、検討の基準となる仕様・機能を5つのステップでご紹介します。
確認する そのほか製品選びで
気をつけたいポイント
当サイトで紹介しているのはジルコニア式酸素濃度計です。その特性は「測定原理・当社製品の特長」をご覧ください。
Step 1 測定範囲を選ぶ
測定範囲を用途から想定
酸素濃度計の比較・選定において、最初に想定すべきポイントは用途です。これにより、「どの範囲で酸素濃度を測定したいか」がある程度定まります。
例えば、大気レベルから数10ppmまで広く酸素濃度をコントロールする必要があるリフロー炉、加熱炉があります。また、1~2%の酸素濃度を管理する食品包装機にも採用されます。
当社では10ppm未満、10ppm以上、1000ppm(0.1%)以上と幅広い測定幅に対応した酸素濃度計をラインナップしています。さまざまな業界、設備で採用いただいています。
Step 2 試料ガスの供給方法を選ぶ
濃度を測る装置内の圧力条件から、適切な供給方法を選定
ここでの圧力条件とは、製品を製造する機械内の気圧の高低を指します。次のいずれに該当するかで、試料ガスを酸素濃度計に送り込む方法が変わります。
- 真空状態(負圧):直挿式
通常より圧力が低い状態では、酸素濃度計のセンサユニットを直接装置や配管に取り付けます。直挿式は、大気圧~負圧までの環境下で測定が可能です。
(200kPa~10-3Pa:絶対圧での圧力制御が必要です) - 大気圧:ポンプ式
大気圧下で測定を行うときは、ポンプを用いて、酸素濃度計に一定量のガスを送り込みます。
(0~29.4kPaでの圧力制御が必要です。) - 加圧:圧入式
通常より圧力がかかった状態では、酸素濃度計に取り込まれる試料ガスの流量を一定に保つため、試料ガスを一度減圧してから、酸素濃度計に送り込む仕組みが必要となります。
(0~29.4kPaでの圧力制御が必要です。)
当社では圧入式、ポンプ式、直挿式それぞれに対応する酸素濃度計を取り揃えています。一部のポンプ式製品は、圧入式への切り替えも可能です。
Step 3 主電源の種類を確認する
酸素濃度計の電源を引いてくる主電源との種類を合わせる
酸素濃度計の電源の種類は、主電源の電源の種類と合わせる必要があります。
主電源の種類と違うものを選択してしまうと、酸素濃度計が破損して使用できなくなりますので、購入・接続前にはくれぐれも注意が必要です。
当社の酸素濃度計では、AC100Vだけではなく、AC100V~240Vのワイド電源に対応した機種や、装置組込に最適なDC24V電源対応機種もラインナップしています。なお、AC電源タイプにはコンセント付き電源コードが付属している機種もあります。DC電源タイプは全機種、お客様にて配線を接続していただく必要があります。
Step 4 外部出力方式を選ぶ
通信方式に応じた外部出力を選択
通信方法は主に3つあり、それぞれ接続できる機器などが異なるため、最終的にどのような運用をしたいかを踏まえて決定することになります。
(1)アナログ通信出力:4-20mA、0-10V
記録計やPLCに用いられる事が多く、最も普及している方式です。
(2)シリアル通信出力:RS-232C、RS-485
パソコンやデータロガーと接続可能な方式です。Excelなどのデータ管理が容易です。
(3)EtherCAT®通信出力:EtherCAT®
2003年に登場した通信方式です。大量の入出力に対応でき、高速・高精度の通信が可能です。特に、リアルタイムで複数の機器を同期させるのに向きます。
注1:Excelは、米国Microsoft Corporationの商標または登録商標です。
注2:EtherCAT®は、ドイツBeckhoff Automation GmbHの登録商標です。
当社では、各外部出力に対応した製品を用意しています。(各製品の紹介ページに対応状況を掲載しています。)
- アナログ出力:DC4-20mA 、DC0-10V
- シリアル通信出力:RS-232C、オプション選択でRS-485も対応可能機種あり
- EtehrCAT®通信:EtherCAT搭載の機種もラインナップ
Step 5 海外規格への対応を
確認する
欧州地域などで利用する場合は、海外規格への対応品を選択
海外、特に欧州地域で製品を利用する可能性がある場合、現地の規格や必要な認証取得に対応したものを選ぶ必要があります。
TRENGDの製品は、全装置でRoHS指令に対応しています。またCE、UKCAマーキング適合機種もラインナップしています。認証取得状況は各製品の詳細ページに掲載しています。
適合規格 | 安全:CE、UKCA | EN61010-1 |
---|---|---|
EMC:CE | EN61326-1 | |
環境規制 | RoHS指令 | EN63000 |
ここからはさらに、機能・仕様以外の面で気を付けたいポイントをご紹介します。
使いやすさ
操作手順がシンプルでわかりやすいなど、現場の状況に即した使いやすいものを選ぶと、効率化や事故防止にも有効です。
当社の酸素濃度計の場合、設備に取り付けたあと、電源を投入、もしくはポンプの稼働スイッチをONにするだけで、規定時間のエージングを完了し、測定可能状態となります。操作も簡単で、最短約6分で測定開始が可能です。
ランニングコスト
導入コストだけでなく、ランニングコストを抑えることも重要です。酸素濃度計の場合は電気代のほか、消耗品であるフィルタの交換や、大気ガスの校正にかかる費用が挙げられます。
当社の製品では、定期的に交換が必要な消耗部品は少なく、各種外付けフィルタもお客様の手で簡単に交換できるようにするなどの工夫で、ランニングコストを抑えています。
納品・メンテナンス対応の迅速さ
新しい設備に酸素濃度計を取り付けたり、既存の酸素濃度計を交換するなどのケースでは、設備の稼働を止めて製品の到着を待つこともあり得ます。従って、メーカーや販売会社が迅速・確実に製品を納品できるか否かが重要なポイントとなります。同様に、急遽修理・校正が必要になった場合の対応スピードも重要です。
当社の場合、主要機種の納品までの整備期間はご依頼から2週間~で対応しております。また、修理の場合は2週間以内で返却が可能な場合もあります。機種ごとの詳細な期間についてはお問い合わせください。また修理については、酸素濃度計専門の技術スタッフが常駐しており、お問い合わせに直接対応します。内容にもよりますが、製品のお預かりから2週間程度で返却が可能です。詳細は修理・校正のお申し込み時にご確認ください。
購入後のサポート体制が充実しているか
酸素濃度計は使用しつづけていると、経年劣化とともに校正点の補正が必要となってきます。劣化が進むと測定値不具合を発生し、設備の稼働停止の要因となりかねません。定期的なメンテナンスなどのサポート体制が整っているか否かは、こうした観点からも重要です。
当社では、酸素濃度計専門の技術スタッフが、操作方法など疑問点へのお答えから、修理・校正などの実務まで、直接対応するサポート体制を構築しています。これにより迅速ながらきめ細かな対応を実現し、お客様からも好評をいただいています。
海外現地でのサポート体制
特に海外拠点で使用している酸素濃度計の場合、所要時間はもちろん、手続きの手間や費用の面からも、できる限り拠点の近くで校正・メンテナンス対応できるメーカー・販売会社を選ぶのがベストです。
当社は、韓国・台湾・中国のアジア主要3国をはじめ、米国、欧州(英国)、フィリピン、インドネシア、タイ、インドにも販売・保守拠点を有し、国内・国外を問わず質の高い保守サービスを提供しています。
納入実績
酸素濃度計に関わらず、製品・サービスの納入実績は信頼の証です。実績の数や多彩さは、ノウハウや技術力の蓄積を示し、品質をはかる指標とできます。
当社は、半導体・電子部品から食品包装まで幅広い業種のお客様に対して、60,000台以上の酸素濃度計を納入しています。近年は特に、半導体・二次電池関連分野での実績が増えています。